星川杉山神社

MENU

HOMEに戻る

FOLLOW US

Facebook
Twitter

宮司さんのおはなし 第38回

明けましておめでとうございます。

平成28年、新たな年が始まりました。神社では1年を通じ、お詣りにいらっしゃる方々のご祈願に応じご祈祷を執り行いますが、お正月に最も多いご祈願はやはり「招福家内安全」です。年の初めということで交通安全や厄除けを祈願される方も多くいらっしゃいます。また、この時期のお宮参りも多く、ご家族揃って笑顔でお詣りされる姿をいつも微笑ましく拝見しています。

さて、今年の干支は「丙申(ヒノエサル)」です。昨年の乙未(キノトヒツジ)は「物事が思うように進まず、曲がって止まる」という意味を持つ年でした。安保法制やアジア外交、東京オリンピック関連の問題など、その象徴ともいえる出来事が次から次へと起こり、落ち着かない1年だったように思います。

では、丙申の今年はどんな1年になると考えられるのでしょうか。

「丙」は、机の脚や人の足のように「左右に張ったもの」の状態を表す文字で、もとは「左右にぴんと開いた魚の尾」を描いた象形文字であったといわれています。文字の構造としては、上部にある「一」が横いっぱいに広がる天地の陽気、下部の「冂」が囲いを表し、そのなかに人がいる、という図式になります。

丙は「へい」とも読み、甲、乙、丙という風に順序を示す場面で使われることの多い文字ですが、もともとは丙に火偏を付けた「炳(ヘイ)」という字と同様の意味を持っていました。つまり「明らかなさま、光り輝くさま」という意味を内包しているわけです。ただし、そのエネルギーは囲いのなかに終始してしまい、外へ出て行くことはありません。総じて「明るく活動的ではあるが、その輝きは穏やかなもので発展性はない」ということになります。丙にやまい垂れを付けると「病」という字になりますが、これは丙を「囲い(家)のなかで人が身体を硬直させている様子を表す」と解釈したところから生まれたと考えられ、丙が意味する「ぴんと張った」状態が「それ以上には動かない」ことを示していることがよくわかります。

対する「申」ですが、これは人が両手を広げた形を表す「臼」の中心をまっすぐな気である「|」が貫いていく構造になっています。そのため「曲がったものをまっすぐにする、引きのばす」といった意味を持ち、申に人偏を付けると「伸」と、そのものずばりの文字になります。

このように、どちらの文字にも明るく活動的な意味があり、「丙」にない発展性を「申」が持つ、というのが「丙申」の組み合わせとなります。ならば今年は繁栄の年になるだろう、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし残念ながら、学術的には「申」が持つ発展性を「丙」が押さえてしまうという解釈の方が優勢です。つまり物事は発展性を持って進んでいくものの、一定の枠内からは飛び出していくことができずにこじんまり終わってしまいがちだといえるのです。

こうした年には、外側からの圧力に負けない積極的な姿勢、自分の意見をはっきりと主張する姿勢を持つことが大切です。情報をオープンにして皆で意見を出し合い、よりよい判断をしていかなければなりません。これまで曖昧だった物事が「明らかになる」年でもありますから、リーダーの役割を担う人には大きな視野と強い意志を伴った決断力が必要とされるでしょう。あとに続く人たちも、ただ言われた通りにしているだけではいけません。枠のなかから飛び出していこうというエネルギーを持って、物事の善悪を判断し、積極的に行動していくことが大切です。

さまざまな問題が山積する現代ですが、ひとりひとりの力を合わせ、よりよい社会へ、よりよい将来へと向かっていきましょう。

丙申の1年が、みなさんにとって明るく発展的な年となりますように。

本年も、よろしくお願い申し上げます。

SHARE ON

Facebook
Twitter
お問い合わせ
交通アクセス
Facebook
Twitter
スギマロ
PAGETOP