星川杉山神社

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宮司さんのおはなし 第36回

平成27年、9月19日と20日の2日間にわたり、星川杉山神社では例大祭を斎行いたしました。昨年まとめました『星川の祭心 -まつりごころ』にも掲載しました通り(第32回参照)、この日は氏子さんたちが御神輿を担ぎ、町全体がお祭りムードに華やぎます。同書ではこの様子を写真集としてご紹介することにより、神社と氏子さんたちとの関わりを知っていただこうと考えましたが、今年はさらに氏子のみなさんとの関係を深めるべく、新たな試みに挑戦しました。

当社では「明神神楽会」という伝統文化教室を開催しており、小学生から中学生の子供たちを中心に大人の会員まで、神楽太鼓や祭囃子(マツリバヤシ)、巫女舞などの稽古を行っています。今年の例大祭では、この明神神楽会のメンバーが御神輿の先導役となり、笛と太鼓のお囃子を演奏しながら町を歩きました。

当社ではまず例大祭宵宮祭の朝に、町内6箇所に開設した神酒所(ミキショ)にて御神輿と山車に神さまにお遷りいただく御霊入れ(ミタマイレ)の儀を行い、翌日に大祭式と御神輿の渡御(トギョ)を行います。御神輿には子供御輿と大人御輿の2通りがあり、子供御輿は午前、大人御輿は午後と、それぞれに渡御する時間帯を変えています。大人御輿は全部で4基あり、これが各神酒所を出発したあと、星川1丁目の交差点に集結して揉むのですが、今年はここで明神神楽会のお囃子がお目見えすることとなりました。

渡御の先導に当たっては専用の可動式底抜け屋台を作り、そこに太鼓を設置して、みなさんにも演奏の様子をご覧いただきやすいようにしました。毎年、大人御輿は1基につき50人以上で担ぐので、御神輿が揉み合う場面は大変な熱気に包まれます。今年はそこに生のお囃子が加わり、盛大なお祭りの雰囲気がさらに高まりました。お囃子の録音を流しているのだろうと見に来られた方から「生演奏だったのでびっくりした」「とても上手だった」「感激した」というご感想を多くいただき、明神神楽会の子供たちにも励みになったようです。天候にも恵まれましたので、盛大な御神輿の渡御は町を挙げて盛り上がり、当初の予定時間を大幅に超えて1時間以上に及びました。

第8回のおはなしでも述べたように、本来、例大祭とは神社が行う最も大きなお祭りです。私たち神職も衣冠(イカン)と呼ばれる正装をして氏子総代の方々とともに神さまのご神徳を称え、神さまに御神輿にお遷りいただいて町内の様子をご覧いただきます。ただ一般の方々は神社で行う式には参列されないため、どうしても神社は神社、町内は町内と、別々に動いている感覚に陥りがちです。

けれど本当は、こうしたお祭りを通して神社と氏子のみなさん、町内に住まう人と人、大人と子供が結びつき、そこから生まれる活力が町の活性化や繁栄につながっていくことが大切なのです。それは、神さまのご神徳による「むすび」のひとつの形です。そのことを実感していただくために、今年は大祭式の内容をマイクでご説明するということも行いました。毎年、大祭式の際には子供御輿を担いだ子供たちも境内に集まっているのですが、これまではどこか外側から眺めているという雰囲気でした。でも今年は神さまに何を奏上するのか、なぜ御祓いを受けるのか、きちんと説明したことで、お祭りが持つ意味をわかってもらえたように思います。

後日、氏子の方々と行った反省会では、みなさんから「今年のお祭りには感動しました」「来年もぜひ一緒にやりましょう」といった嬉しいご感想をいただきました。私は氏子の方々のご協力に深く感謝したうえで、みなさんがいま感じている地域の団結力や神さまへのお気持ち、その心の火を消さないでくださいねとお話ししました。お祭りの余韻がまだ残っている温かな心を、今後も人と人との結びつきや助け合い、神社と氏子さんたちとが一体となって取り組む行事などにつなげていってほしいと思います。

いまの時代、神社と町とが一緒に何かをするという機会は非常に少なくなっています。だからこそ当社では、こうした行事を通して生まれる「むすび」の心をさまざまな形でお伝えし、氏神さまと氏子さんとの距離、神社とみなさんとの距離を、より近いものにしていきたいと思っています。

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