こんにちは。お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。
神葬祭関連のお尋ねですが、ご質問事項を以下1~3として記してみました。
(1)「神葬祭」とは、亡くなられた方のご生涯をお偲びするとともに、その御霊(おみたま)をお慰めしお祀りすることです。神道では、この世の生涯を終えて亡くなられた方の御霊は、神々や祖霊がいらっしゃる幽世(かくりよ)に帰る(帰幽)とされています。
(2)「奥津城」とは亡くなった方のご遺骨をお納めする場所を指し、「御霊舎」は御霊の憑代としての御霊璽をお納めするところを指します。「神社」には、八百萬神々をはじめとした産土・氏神神社や、国や地域に貢献された方々(英霊・人霊)の御霊をお祀りする神社などもございます。特に、人をお祀りする神社は「別格官幣社」と呼ばれ、近代以降新しい社格制度の中に位置づけられていましたが、戦後この制度はなくなりました。
(3)神葬祭で葬儀が行われた場合は、(1)で記しましたように「遷霊」により御霊璽におうつり戴いた御霊を御霊舎でお祀りすることになります。地域によっては祖霊社(総霊社)と呼ばれる社を氏神神社の境内、もしくは近くに建て、その集落の御霊を纏めてお祀りしている事例もございます。
人の御霊をお祀りすることは「慰霊」「顕彰」と御祭神の位置づけにより様々です。九州の太宰府天満宮のように、墓所に神社を建てた事例もあり、歴史性・地域性といった細かな事情に目を配る必要性がございますが、大まかに見ていくと「奥津城」「御霊舎」「神社」はそれぞれ別個の存在であり、共同奥津城の考え方もそれに沿ったものと考えて宜しいかと思われます。ご参考にして戴ければ幸いです。