星川杉山神社

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宮司さんのおはなし 第7回

星川杉山神社の鎮座する保土ヶ谷区の高台には、多くの方々が暮らす集合住宅が建ち並んでいます。 以前は高齢の方々が中心でしたが、老朽化した建物を建て直したことにより、 ここ数年は若い世代の方々もたくさん入居されて子供の数も一気に増えました。 いきいきとした子供たちや、楽しそうな親子の姿を目にするのは嬉しいものです。 お散歩やお詣りで神社に見える方々と触れ合いながら、活気ある街でご奉仕させていただけることを神さまに感謝する毎日です。

さて、『“健やかな子育て”を考える』前編では、現代の子育てが持つ問題点についてお話ししました。 少子化の影響もあって親が子供に手をかけ過ぎてしまうせいで、 子供たちの“自分で考えたり感じたりする力”が育っていかないのはとても残念なことです。 もちろん、だからといって放っておけばよいというわけでもありません。 では、親は子供に何を教え、どう接すれば“健やかな子育て”を実現することができるのでしょうか。

私は、親として子供に教えるべきことは次の3つだけでよいと考えています。 それは “善悪の区別”と“命の尊さ”、“あいさつなどの基本的な礼儀”。 当たり前と思われるかもしれませんが、これらは小さいうちに繰り返し教えられなければ身につきません。 ある程度大きくなってから諭しても遅いのです。 ですから、もしもこうしたことのわからない子供が育ってしまったなら、それは他の誰でもない、親の責任です。

そして、この3つを教えるときに重要なのは、親が“毅然とした態度で”子供に臨むことです。 きちんと挨拶をさせる、電車内など公共の場では騒がせない、周りに迷惑をかけないようマナーを守らせる。 例外を作ってはいけません。何があろうと悪いことは悪いと叱られ、 逆によいことをしたときには大いに褒められるという経験を積み重ねながら育った子供には、 3つの大切なことが身につくだけでなく、人への優しさや思いやりの心も自然に芽生えていきます。

しかし近年では、こうしたことよりも成績の善し悪しばかりを気にする親が増えているようです。 どこの学校へ進んだか、そこは一流か三流か……。けれど、どれだけ勉強ができても、 人の痛みを推し量る想像力や感謝の心を持てない子供に健やかな人生を歩んでいくことはできません。 また成績を気にする親の心には、見栄や世間体など、多分に他人の目を意識した自分本位な考えが隠されているものです。 そうした気持ちで子供に接すれば、きちんと叱ることも褒めることもできなくなり、 ただ感情的に怒ったり機嫌を取って甘やかしたり、という風になってしまうでしょう。 ですから親は子供に点数をつけず、何事においても結果ではなく努力の過程をしっかり見てやることが大切です。 そうして子供を勇気づけ、人生への希望を持たせてやれる存在であり続けることが、親たるべき愛情の表し方なのではないでしょうか。

こうして精一杯の愛情を示したら、そこから先は自分自身で考えさせる。 それが“健やかな子育て”を行っていくための正しい姿勢だと私は思います。 まずは私たち大人が子育てのあり方を見つめ直し、自らの責任を自覚しましょう。 そして、いつまでも輝きを失わない、健やかな魂を育んでいきましょう。

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