星川杉山神社

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宮司さんのおはなし 第5回

明けましておめでとうございます。 新年を迎え、みなさんもさまざまな思いを新たにされていることと思います。

さて平成22年は寅年、正確には『庚寅(カノエトラ)』という干支になります。 干支は十干と十二支を組み合わせたもので、陰陽五行説との深い関連を持ち、 物事の性質を表すものとして古くから易などに活用されてきました。 では『庚寅(カノエトラ)』の今年はどんな一年になるのでしょうか。 そして、どのように過ごせばよい一年にすることができるのでしょうか。

『庚』の文字の語源を象形文字に辿ってみると“両手で杵を持って臼を突く” という形になります。昔は、実りの季節に収穫した穀物を臼に移し、 人が杵で突いて脱穀していました。このことから『庚』からは“米”と結びついた “康”や“糠(ヌカ)”といった文字も生まれています。

こうした語源を持つ『庚』の文字には“継続・改変・更新”の3つの意味が内包されています。 まず、ひと粒のお米を作るためには、田植え、稲刈り、脱穀、精白といった幾段階にもわたる過程と長い時間を “継続”させていくことが必要です。 とはいえ継続の途中には失敗することもあるでしょう。失敗したときには、それを償って改め、 次の成功のために“改変”しなければなりません。 そうして幾多の失敗を償い改めながら新しいものを生み出していこうとすることが “更新”につながる、というわけです。

一方、『寅』の文字は“両手で矢を包み、その矢柄を正す”という形から生まれました。 この文字には、人が手を合わせている格好から“敬う・約束する”、 矢柄を正す=曲がったものをまっすぐに伸ばすことから“進展させる”、 寅の字にあるウ冠が建物や組織を表すことから“協力する”などの意味が含まれています。

こうしたことから『庚寅』には“人々がともに助け合いながら、物事の継続過程に起こる失敗を正し、 よりよい方向へと進んでいく”といった性質があることがわかります。

昨年はどこへ行ってもいいお話を聞かない一年で、私の周りでも物騒な目に遭われたり 病気をされたりといった方が多くいらっしゃいました。明るい話題のない毎日は、人々から笑顔を奪います。 笑顔の少ない暗い雰囲気が伝染していけば、世の中はますます暗く荒んでいくでしょう。 ですから私はみなさんに、今年は特に人とのつながりや触れ合いを大切にしていただき、 常に熱いまなざしを持って前進していただきたいと思うのです。 まだまだ多くの難問を抱えている世の中ですが、私自身もまた、いま神社にできることは何なのか、 神社の役割とは何なのか、といったことを真剣に考えていかなければいけないと感じています。

どうぞ庚寅の一年が、みなさんにとって笑顔の絶えない、よい一年になりますように。 本年も、よろしくお願い申し上げます。

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