星川杉山神社

MENU

HOMEに戻る

FOLLOW US

Facebook
Twitter

宮司さんのおはなし 第25回

秋を迎え、少しずつ日が短くなってまいりました。12カ月を和名で表す和風月名では、9月は「長月(ナガツキ)」。秋の夜長を楽しむ季節です。猛暑から解放されて過ごしやすくなってきた夜のひとときに、ほっとしている方も多いのではないでしょうか。

また、9月から10月にかけては当社をはじめ多くの神社で「例大祭」が行われます。第8回でもお話ししたように、こうした大きな神事が行われる時期にはお祀りしている神さまのお力も強まるといわれています。そこで今回は神さまと私たちとの関わりについて、私たちの行動の指針とすべき考え方をお話ししたいと思います。

初詣や大祓、七五三などの祭事を通してお詣りにいらっしゃる方々に、私はよく「目に見えないものほど大事なものはないのですよ」とお話しします。たとえば空気や太陽の光、人の愛情などは目に見えません。神さまも目には見えません。けれど、その存在を意識し、守られていることに感謝しながら日々を過ごせば、人生はより実感のあるものになるでしょう。そして「自分を守ってくださる神さまに、喜んでいただけるように」という気持ちを行動の根本に持てば、心は豊かに穏やかになり、よいことと悪いことの区別も自然につくようになります。

たとえば、神職が日課としているご奉仕のひとつに境内の掃除があります。みなさんは、神職が境内を掃いている姿を見て「お詣りにいらっしゃる方々のために綺麗にしているのだな」と思うかもしれません。しかし元来は、人のために掃くのでも自分のために掃くのでもないのです。神さまのいらっしゃるところだから清潔にして、神さまに喜んでいただこうと思う、その心が結果的にお詣りにいらっしゃる方々にも喜んでいただくことにつながるのです。

目に見えない神さまに対して、喜んでいただけることをしようという気持ちからは悪いものは生まれません。気持ちは姿に表れますから、利己的な考えのない行動を取る人の周りには自然に人が集まり、温かい輪が広がっていきます。反対に、義務感や駆け引き、「自分さえよければいい」という考えのもとに起こす行動からは、よいものは生まれません。神さまがお喜びにならないからです。

私は40数年にわたり神職としてご奉仕を続けるなかで、さまざまな方に接し、ご相談を受けてきました。そうした経験から申し上げると、金銭的な利益ばかりを追求する考えはあまりよい結果を招かないと感じます。高価なものを着て、美味しいものを食べて、好きなときに好きな所へ行く、それが幸福だと思う方もいらっしゃるのかもしれませんが、形だけの幸福を追い求めても心の幸福を得ることはできません。経済的に豊かでなくても、豊かな気持ちで生きることはできるのです。そしてそれこそが、日本人が本来持っている美徳なのではないかと私は思います。

「目に見えぬ 神に向かひて恥じざるは 人の心のまことなりけり」(目に見えない神さまに向かって、恥ずかしいところは何もないと言える心を持つことが人の正しい姿です)という和歌があります。多くの方がこうした気持ちを取り戻し、正しい判断のもとに行動することができるようになれば、問題を抱えた社会も健全な姿へと立ち直っていくことができるのではないでしょうか。自分のためでも人のためでもなく、神さまのために。日本人の原点にある気持ちの持ち方について、いま一度、みなさんにも考えていただけたらと思います。

SHARE ON

Facebook
Twitter
お問い合わせ
交通アクセス
Facebook
Twitter
スギマロ
PAGETOP